惰眠を貪る。
寝るのが好きだ。
基本的にどこでも眠れる人間だと思う。しかし、あまり睡眠をとらないようにしていた時期がある。
その結果、二泊三日ほど入院するはめになった。
人間はあまり睡眠をとらずに脳をフル回転させ続けると脳が壊れるらしい。
お医者曰く、脳回路の一時的な故障ということだった。そのせいか入院前後の数日の記憶がおかしくなり、その期間の記憶は曖昧なままだ。
人身事故にあっても入院の必要すらなかった頑丈なカラダだが、まさか脳の故障が原因で緊急入院する事になるなんて思ってもいなかった。
病院では3日ほど規則正しい生活を余儀なくされ、幸いなことに後遺症もまったくなく、人生初の入院生活は幕を閉じた。(入院の経験は強烈だったのでいつか執筆するかもしれない…)
Dr.セノガワ
人間は寝ることによって脳の整理整頓が行われる。まるでパソコンの再起動とHDDのデフラグのようなものだ。不要な情報をリセットしたり、記憶を並び変えて正しい領域に整理整頓しているに違いない。
ちょうど同じ頃に面白い体験もした。
数日だけだが、知っているはずの知識がすぐに呼び出せなくなってしまった。まるで記憶喪失だ。
人間は記憶を呼び出す時、呼び出しに使うシナプスの通り道が決まっていると思うのだ。その通り道のことを思考回路と呼んでいると思う。同時にふたつの思考回路を作動させることはできない。だから使っていた回路が故障するとその先にある記憶を呼び出すことができなくなるのだ。回路が回復するか、新しい回路ができるまで待つしかないだろう。
思考回路は歳をかさねるほど凝り固まっていく。
凝り固まった思考回路が「三つ子の魂百まで」の正体ではないかと個人的には考えている。
入院して以来、少しでも脳が疲れたと感じたら仕事中でもかまわず昼寝をする習慣をつけている。15分くらい寝るとすっきりと脳がリセットされる感覚がわかるようになった。ちょい寝の習慣は今後も続けようと思う。
他人から見たら、仕事中に惰眠を貪っているようにしか見えないのは少し問題だが。