働くのが好きだ。そう聞くと仕事中毒の人間みたいに感じるだろうか。
仕事は大嫌いだし、休み明けの朝は超最悪という意見も多いだろう。
人によっては生き甲斐だったり、苦行レベルだったり。そもそも仕事とは何だろうか? 実に興味深い。

仕事を辞書で調べてみると「生計を立てる手段として、従事する事柄。何かを作り出す、もしくは成し遂げるための行動」とある。
つまり何かしら要求される条件を達成してコンプリートしていくのが仕事の本質といえるだろう。ゲームと同じメカニズムだ​*1​​。

お金のためだけに働くと割り切る人も多いと思う。生きてゆくにはお金が必要だからだ。
しかし、一生お金に困らない億万長者の家に生まれても人は働く。働く形態が違うだけで、人間のほとんどは仕事(何かを作り出す、もしくは成し遂げるための行動)に従事する。

仕事の本質はお金を稼ぐことではない*2​
お金の有無にかかわらず多くの人が働きたがるのは、達成感と満足感を得られるからだ。良い仕事をすると深い充実感を味わうことができるのだ。

今の時代、仕事の種類といえばほぼ無限にあるだろう。
芸能業界の華やかな仕事から、誰も気が付きもしなかった隙間産業や、犯罪行為すれすれのスパム業者まで実に多様だ。

興味深いのは、俸給の高さと仕事の価値は比例しないということだ。弱者を騙して大金を稼ぐ詐欺師*3​と、一般的な月給をもらう公共の清掃作業員、どちらの仕事に価値があるかと問えば、当然後者といえる。獲得する金額だけで仕事の価値は測れないことがよくわかる。

また社会的地位があるように見える仕事だからといって、達成感と満足感が多く得られるとは限らない。そうした仕事はしがらみや解決できない問題が山積しているものだ。思い通りにコンプリートできない仕事は充実感よりストレスが溜まることが多い。

仕事というものは、他の人のために何を成し遂げるかという枠の中で見るべきものであって、俸給や社会的地位といった点だけから見るべきではない。
仕事に対する見方を誤れば、仕事の本質を見失ってしまい、働く意義を失いかねない。

100倍の給料をもらっているというだけで、ほかの人の100倍の価値があると言える人間は一人もいない
米国における仕事の調査報告

仕事が面白い理由は、達成感と満足感を得られるからだ。もし仕事がつまらないと感じているなら、この二つの要素を欠いていると言える。

ゲームで考えるとわかりやすいのだが、作業ゲー*4​になると途端につまらなくなるメカニズムは仕事も同じだ。
仕事を面白くするためには、「攻略方法を練る」「自分のスキルをアップする」「制限の中で創意工夫を凝らす」「達成可能な目標を立てて挑戦する」「様々な自己ベストを更新する」など、まさにゲームのようなメカニズムを自分なりに仕事に適用するなら、ほとんどの仕事は熱中できるものであり達成感や満足感を得られるに違いない。

ゲームと違って、仕事によっては報酬として本物のお金を受け取れる特典付きだ。
しかも社会の役に立つ仕事なら、周りから深く感謝してもらえたり、信頼を勝ち得るボーナスもある。
面白くない業務内容そのものを変えるのは難しいかもしれないが、自分の見方を変えるだけで、ほとんどの仕事はやり甲斐を感じるだろうし、充実感を得ることができると思う。

とはいえ、いつも仕事にばかり熱中していると、本人は幸せでも周りに迷惑をかけてしまうことを自覚する必要がある。
ずっとゲームばかりしていると大切な私生活が疎かになってしまうのと同じだ。
何事も時間を決めてバランスよく楽しむのがオトナの嗜みというものだろう*5​


*1 ゲームはバーチャルな仕事である。
*2 お金は満足を得るための手段に過ぎない。お金に興味がない人でも働くのが好きという人は沢山いる。ボランティア活動などその最たる例だ。
*3 詐欺行為で月に1億円稼いだとしても価値のない仕事といえる。道徳的にいかがわしい仕事は社会においてもまったく価値がない。個人的にスパム業者は無価値どころか害でしか無いと思う。
*4 同じことの繰り返しで、爽快感もなく、脳を使うこともなく、ひたすら単調作業を繰り返すゲームのこと。実に退屈。もはや義務感。
*5 「それがオトナの特権だ。」とフル・フロンタル大佐も仰っている。オトナって…便利な言葉だ。